僕(社畜39号)が集めた本当にあった怖い話ブログ

僕が集めた本当にあったゾッとする話を書き込んでます。

#01.さやちゃん

 

まず最初に、僕は怪談、オカルト、全般大好きだ。

 

 

子供の頃から身の回りで起きた怪奇現象や、人から聞いた実体験の怖い話を昔から蒐集(しゅうしゅう)してきていた。

 


しかし、僕は何でもかんでも霊現象だと、決めつけるのは好きじゃない。

 

どちらかと言えば怪異と出会した時には、愛故に霊現象否定派として考察していく癖がある。
 
なんでもかんでも、幽霊の仕業と騒ぎ立てるのも好きではないのだ。

 


現実的に様々な可能性を考え、それでもやっぱり説明が付かない時があり、

 

 

その瞬間こそ、僕はゾッと背筋が寒くなるし、

 

 

また、嬉しくもあり、

 

 

その出来事を怪奇譚として記述するのである。

 

 

 

前置きが長くなってしまったが、

 

まずはこの話から聞いて欲しい。

 

f:id:yuugurenokai:20211016045509j:imagehttps://m.youtube.com/watch?v=AOekTIMqyX8&t=1283s

 

 

 

 


これは、僕の子供の頃に実際に経験した、今思うと怖くもあり、不思議でもあり、もやっとする思い出の一つ。

 

 

 

子供の頃、隣の家には、さやちゃんと言う同年くらいの女の子がいて、僕は、その子と、大の仲良しだった。

 


僕は幼稚園から帰ってくるなり、玄関にリュックを放り投げ、近所の家に向かう。

 


さやちゃんは一人っ子プラス鍵っ子と言うやつで、親は、仕事で、ほとんど家にいなかった。

 


その為、僕がいつも、さやちゃんの家に行き、彼女の部屋で日が暮れるまで遊ぶのが日課だった。

 


さやちゃんは前髪ぱっつんに揃えた、おかっぱ頭で、いつも、「これ、おきにいりなの」と言う、花柄のワンピースを着ていた。

 


そして、さやちゃんは、僕の話にころころと良く笑い、とても愛嬌があって可愛い女の子でもあった。

 


僕達は毎日、色んな遊びをしていたが、よくしていた遊びは、おままごとだった。
 

 

「きょうもおしごとおつかれさま。もうすぐごはんできるわよ」

さやちゃんと僕が結婚してて、そんな設定でおままごとをしていた為、本当にませてたと思うけど、実際に、ハグをしたり、キスまがいの事まで、彼女にリードされてしていた気がする。

 


そんな事をしていたから、正直、今になって思うけど、多分、僕は当時、彼女の事が好きだったんだと思う。

 

 

 

そんなある日、事件が起こった。

 


この日も、僕は、幼稚園から帰ってくると、すぐにさやちゃん家に遊びに行った。
 
 
この日も、確か、さやちゃんとおままごとをやっていた気がする。

 


すると、突然、玄関のドアがガチャっと開き、乱暴な足音を鳴らして、さやちゃんのお父さんが帰ってきた。

 


僕は、この時、さやちゃんのお父さんに、

 


挨拶をしようとしたんだけど、

 


けど、さやちゃんの親は、僕を見つけるなり、瞳を見開き、凄い剣幕で、僕を怒鳴り付けてきた。

 


本当にさやちゃんのお父さんが怖くて、それからの記憶は殆ど断片的だった。

 


でも、確か…僕の両親まで呼び出されて、

 


両親共々、さやちゃんのお父さんに謝罪、

 


それでも怒りが収まらない、

 

さやちゃんのお父さん。

 


確か、警察呼ぶぞ、とかまで言われてた気がする。

 


その件をきっかけに、僕と、さやちゃんは全然会う事も無くなり、更に怒りが収まらない、さやちゃんのお父さんからのうちへの家に対する嫌がらせが始まり、それがどんどんエスカレートしていき、それが原因で僕が小学校に入学するくらいのタイミングで家は引っ越す事になった。

 


最近、あの時、どうしてさやちゃんの親に

 


あそこまで怒られてたのか?と、

 


今まで触れないでいた話題を、

 


母親にぶつけてみた。

 


すると、母は、「あんたが、隣のS田さん宅に勝手に忍び込んで、それでS田さんが不法侵入だ!とか怒って警察まで呼ぼうとしたのよ?覚えてないの?」と、言った。

 


更に、母が言うには、隣の家のS田さんは

 


独り住まいで、結婚すら、子供なんて、いなかったと言う。

 


僕は、さやちゃんって女の子が居たでしょ?と母に尋ねてみたんだけど、

 

 

母は、最後まで、そんな女の子なんていないし、見た事もない、と言った。

 


正直頭がパニック状態だった。

 

 

でも、僕はたしかに、

 


さやちゃんと遊んだ記憶がある。

 

 

 

すると、母がS田さんについて、更に有力な情報を教えてくれた。

 


母も、S田さんとの、近所仲が拗れてから知った情報だったみたいだが、S田さんは、街でも有名な変人で、

 


その、S田さんは、少女サイズのマネキンを大事にしていて、そのマネキンには、おかっぱ頭のウィッグに、花柄のワンピースをいつも着せていたらしい。

 


S田さんがマネキンに向かって話しかけている所や、マネキンを連れて公園のベンチに座っている所を街の人達が目撃していたそうだ。

 


母は「あんたがそんな人の家に上がり込んだと思うと、今思い出しても本当にゾッとするわよ。本当に、無事で良かった」と、言った。

 


そして、最後に、やはり、近所に、さやちゃんなんて女の子は居なかったし、あんたが一緒に遊んでるところなんかも、見た事がないと言われた。

 

 

僕は母のこの話を聞いてから、鳥肌が止まらなかった。

 


だってさやちゃんは、おかっぱ頭で、
 
 

いつも花柄のワンピースを着ていたのだから。

 

 

 

さやちゃんが人形だと、どうしても思えなかった僕は彼女は何者だったのか考えた。

 


彼女は全く別の家の子で、どうにかしてS田さん宅の合鍵を入手しており、自分の家のように毎日入り込んでいた可能性はどうだうか?

 


いや、でも正直、それは考えられない。そうなると、あの日、さやちゃんのお父さんだと思っていたS田さんは、どうしてあの時僕の方だけを見て怒鳴ったのだろうか?

 

 

あの時、そう、あの時、確かにS田さんは僕の隣に居たさやちゃんの方も見ていた、彼女の事を認識した上で僕だけに不法侵入だ!と怒鳴ったのだ。

 


なので、さやちゃんも他所の子と言う説や、S田さんがさやちゃんを見ていた事により、さやちゃんが僕にしか見えない幻覚のような存在、または霊と言う考え方も難しくなる。

 


正直、そう思う方が馬鹿げてるとしか思えないが、考えれば考えるほど、さやちゃんは、S田さんの家にある人形だったんじゃないかと、思えてくるのだ。

 

 

 

 

 

 

 


さやちゃんと遊んだおままごと中、その時に彼女に触れたあの感覚を覚えている、彼女の正体がもし、人形だったとしても、僕には分からない。

 

 

だって、あの時の彼女は本当に生きた人間のように、柔らかく、温かかったのだ。